ホームページの新規制作やリニューアルをお考えの方から、「補助金は使えますか」というご相談をいただくことがあります。
その代表格が、小規模事業者持続化補助金です。
2026年、この補助金の使い方に関わるルールが変わりました。
第20回の公募は2026年5月27日に始まっており、対象となる公募要領は、2026年7月21日に改訂された第8版が最新です。
今回の変更点の中でも、これまで多くの事業者を悩ませてきた「ウェブサイト関連費の割合制限(4分の1ルール)」が撤廃されたことは、特に大きなポイントだと私は感じています。
今回は、その変更点を私なりに整理してお伝えします。
結論から先に:経費45万円まで対象になりました
まず、いちばん誤解されやすいポイントからお伝えします。
今回の改訂で、ホームページ制作にあたる「ウェブサイト関連費」は、30万円(税込)が上限になりました。
この「30万円」という数字を見て、「経費が30万円までしか対象にならない」と思われる方が多いのですが、これは誤解です。
30万円は、経費の上限ではなく、受け取る補助金額の上限です。
持続化補助金の補助率は2/3ですので、経費に換算すると、45万円まで対象になります。
計算式にすると、450,000円×2/3=300,000円です。
つまり、45万円の経費を使ってホームページを制作した場合、そのうち30万円が補助金として戻ってくる、という仕組みです。
多くのホームページ制作は、経費45万円の枠に収まる価格帯だと私は感じています。
「うちの規模では関係ないだろう」と思わず、まず対象になるかどうかを確認してみる価値はあると思います。
第19回との比較:割合制限から定額上限へ
なぜ今回、この誤解が起きやすくなったのか。
その背景には、第19回までとの制度の違いがあります。
第19回までは、ウェブサイト関連費の上限は「補助金交付申請額の4分の1(最大50万円)」という割合での制限でした。
つまり、申請する補助金全体の額に対して、ホームページ関連の経費が占める割合に上限があるという建て付けでした。
標準的な補助上限50万円のケースで計算すると、ウェブサイト関連費に充てられる補助金は最大12万5,000円、経費に換算すると約18万7,500円までが目安でした。
第20回からは、この割合による制限がなくなり、「30万円(税込)」という定額の上限に変わりました。
実際に、第20回の公募要領を全文検索しても、「4分の1」という記述は1件も見つかりません。
割合で考える必要がなくなった分、制度としては分かりやすくなったと言えます。
一方で、「30万円」という金額だけが独り歩きすると、経費の上限だと誤解されやすくなった、とも言えます。
注意点:自社で作ると経費にならないという逆説
もう1つ、見落とされがちな注意点があります。
持続化補助金は、実際に支払った経費に対して補助が出る仕組みです。
そのため、自社の担当者が自分で作業した分は、経費として計上できません。
たとえば、社員の方がホームページ制作の知識を持っていて、自社内で更新やリニューアルができる会社であっても、その作業に対する自社内の人件費は、補助の対象にならないということです。
外部の制作会社に依頼して、実際に支払いが発生して初めて、その金額が経費として認められます。
つまり、「自社でホームページを作れる会社ほど、この補助金は使いにくい」という、少し皮肉な構造になっています。
社内で対応できる部分がある場合でも、補助金を活用したいのであれば、どこまでを外部に依頼する形にするか、事前に整理しておく必要があると思います。
広報費との組み合わせ:チラシやパンフレットとあわせて考える
もう1つ、第20回で変わった点があります。
第19回までは、広報費だけを単独で申請することができました。
第20回からは、広報費の単独申請ができなくなりました。
広報費を使う場合は、他の経費区分と組み合わせて申請する必要があります。
広報費の上限も、ウェブサイト関連費と同じく30万円(税込)です。
目的によって感じ方は違いますが、チラシやパンフレットなど広報費をメインに活用したいと考えていた方にとっては、以前より使いにくくなったと感じる方もいらっしゃると思います。
広報費として認められるのは、商品・サービスの広報を目的としたものに限られます。
たとえば、商品名やサービス名、宣伝文句、事業者名などが入ったチラシやパンフレットの制作・印刷費であれば対象になります。
看板についても、商品やサービスの宣伝を目的としたものであれば対象になり得ますが、公募要領では、単なる会社案内のためのパンフレットや、商品・サービスの宣伝を目的としない看板、求人広告などは、対象とならない経費として名指しされています。
たとえば、ホームページのリニューアルにあわせて、新商品や新しいサービスを紹介するチラシを作り直す、という組み合わせであれば対象になりやすいと考えられます。
一方で、会社そのものを紹介する会社案内パンフレットや、宣伝文句の入っていない社名だけの看板といった「会社案内」寄りの広報物は、対象外になりやすい点に注意が必要です。
ただし、広報費として認められる経費の範囲や、ウェブサイト関連費との具体的な組み合わせ方には、案件ごとに判断が分かれる部分があります。
この部分は一般論だけで判断せず、申請前に地域の商工会議所や商工会に相談し、確認しながら進めることを私からもおすすめします。
スケジュールと注意点
申請を検討する場合、スケジュールにも注意が必要です。
第20回の申請受付期間は、2026年11月5日から12月15日17時までです。
ここで見落とされやすいのが、様式4(事業支援計画書)の発行締切です。
様式4は、商工会議所や商工会に発行してもらう書類で、申請には欠かせません。
この様式4の発行締切は、2026年12月4日です。
申請受付そのものの締切は12月15日ですが、様式4がなければ申請できないため、実質的な締切は12月4日と考えておく必要があります。
申請は電子申請のみで、GビズIDプライムのアカウントが必要です。
まだお持ちでない場合は、申請の準備と並行して早めに取得しておくことをおすすめします。
「様式4の発行」や「GビズIDプライムの取得」といった言葉だけを見ると、手続きが面倒そうに感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、どちらも一度に多くを揃える必要はなく、順番に進めていけば済む準備です。
早めに一歩を踏み出しておけば、締切に追われずに済むと思います。
また、対象外になりやすいケースにも触れておきます。
公募要領では、「国が助成する他の制度(補助金・公的医療保険・介護保険の診療報酬等)と同一又は類似内容の事業」は対象外とされています。
具体的には、就労継続支援A型・B型やデイサービスなど福祉・介護系の一部事業、保険診療を行う医療系の一部事業が、対象外になりやすい例として挙げられています。
塾や教室などで使用する、有料の教材そのものの制作費用も対象外です。
ここで気をつけたいのは、業種そのものが丸ごと対象外になるわけではないという点です。
対象外になるのは、あくまで「国の給付と重複する内容の経費」であって、業種を理由に一律で除外されるわけではありません。
自社の事業が該当するかどうか迷う場合も、商工会議所や商工会に確認することをおすすめします。
まとめ
今回は、2026年の小規模事業者持続化補助金第20回で、ホームページ制作に関わるルールがどう変わったかをお伝えしました。
ウェブサイト関連費は、割合制限から30万円の定額上限に変わり、経費に換算すると45万円まで対象になります。
自社で作業した分は経費にならないこと、広報費は単独申請ができなくなったこと、様式4の発行締切が申請締切より11日早いことなど、見落としやすいポイントもいくつかありました。
なお、第19回の採択率は47.2%(16,576件中7,819件・2026年7月29日公表)でした。
申請すれば必ず採択されるわけではなく、2件に1件は採択されない、という前提で準備を進める必要があります。
制度の詳細は、中小企業庁が公開している公募要領(PDF)でも確認できます。
- 小規模事業者持続化補助金<一般型・通常枠>第20回 公募要領(第8版・2026年7月21日改訂)
- 【第20回小規模事業者持続化補助金】ウェブ制限撤廃でHP制作のチャンス!理由と活用法
- 小規模事業者持続化補助金第20回の変更点まとめ【2026年5月最新版】ウェブ費・広報費・相見積の基準が変わりました
- 【第20回】小規模事業者持続化補助金はここが変わった!第19回との変更点をわかりやすく解説
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補助金の申請そのものは、商工会議所や商工会、認定支援機関にご相談いただく形になりますが、
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