はじめに
前編では、インストールからDropbox同期、Claude Codeとの連携までを書きました。

やることはやった。
つながった。
でも、正直に言うと——つないだだけでは何も変わりません。
大事なのはそこから先です。
実際に毎日使ってみて、何が起きたか。
今回はその話をします。
今までの使い方・記入方法
まず、僕が実際にどう書いているかから紹介します。
一番の土台は「daily」というフォルダです。
その日1日の記録を、1ファイルにまとめて書いていく場所です。
構成はシンプルで、こんな感じです。
- 前回からの引き継ぎ
- 今日やること
- 今日考えたタスク
- 作業ログ
- アイデア
- 次やること
朝、Claude Codeを起動すると、前日のdailyを全部読んでくれます。
「次やること」だけじゃなく、作業ログの最後まで。
なぜかというと——セッションが終わったあとに僕が直接Obsidianに書き足すことが多からずあるからです。
そこを拾ってもらわないと、次の日に「あれ、あれってどうなったんだっけ」が発生してしまう。
前回の続きから始められる。
自己紹介ゼロで、しかも「昨日の話」もちゃんと覚えている状態でスタートできる。
まだ100%ではないけれどw
これが前編で書いた「外部脳」の一番わかりやすい効果です。
タスクの管理も、Obsidianの中でやっています。tasks/_07-master.md(今は7月なので)というファイルに、月ごとのタスクを全部並べておく。
完了したもの、未完了のもの全て入って更新されていく(削除することはない)。
月が変われば、棚卸しして、未完了のものが翌月へ引き継がれていきます。
カテゴリは、
⓪最重要事項(★★★)
①事業(★★☆)
②マーケティング(★★☆)
③インフラ(★★☆)
④思考資産(★☆☆)
⑤実験(★☆☆)
⑥プライベート(★☆☆)
⑦勉強・インプット(★☆☆)
まで。
温度感を表す絵文字もつけています。
- 🔥今すぐやる
- 🚀進行中
- 💤ステイ中
- 💡アイデアの種
- ⏳返信待ち
これがあると「今どのくらい熱があるタスクか」が一目でわかる。
優先度(★の数)と温度(絵文字)を分けて管理するようになったのは、6月のタスク管理システムの見直しがきっかけでした。
ただ、正直に言うと、この見せ方はまだ完成形じゃありません。
文字だけのリストだと、優先度と時間軸が一目でパッとはわかりにくい。
最後に見た目はやっぱりガントチャートの方がわかりやすい、という気がしています。
ここは要調整中です。
ミス・間違いの記録(外部脳の理念:失敗も資産)
このObsidianを作るときに決めたルールがあります。
「間違いや失敗した思考プロセスも必ず残す」。
正解だけを残すノートじゃない。
なぜ間違えたのか、どこで詰まったのか、そこまで含めて書く。
これは中学生の頃に教わった「テストで間違えた問題は、なぜ間違えたのかを考えながら残す」という話とつながっています(前編に書いた話です)。
実際にやってみると、ミスの記録がとにかく多い。
恥ずかしいくらい多いです。
でも、それがちゃんと資産になっている実感があります。
いくつか紹介します。
Dropboxの一括移動で「なかったこと」にされかけた話
7月頭、Obsidianの中身を大整理(棚卸し)しました。daily/フォルダに溜まっていた6月分のファイルをmonthly/2026-06/へまとめて移動する作業です。
30ファイルくらいを一気にmv(移動)したところ——Dropboxが「大量削除された」と誤検知して、消したはずの古いファイルを勝手に復元してしまいました。
一度直したはずなのに、また元に戻ってる。
何度確認しても直らない。
原因を突き止めるまでちょっと時間がかかりました。
結局、数十件規模のファイルを一気に動かすと誤検知されるということがわかり、対策として「1日で全部やらず、2日に分けてやる」「同日中にやるなら5〜10件の小分けにする」というルールを作りました。
これで一件落着——と思ったら、数日後、今度はフォルダ名のリネームでも同じ現象が起きました。
しかも「数十件規模のフォルダが対象」だと思っていたのに、5〜7ファイルしかない小さいフォルダ(前編・後編のフォルダ名を英語化したとき)でも復活してしまった。
つまり「件数の多い・少ないに関係なく、リネームは常に要注意」だと後から分かったわけです。
最初の仮説(数十件規模が対象)は、実は間違っていました。
でも、この「間違った仮説→再発→仮説修正」のプロセスをそのままObsidianに残しています。
「数十件規模が対象」という最初の推測だけを書いていたら、次に同じ罠にはまっていたと思います。
Google Tasksをうっかり完全削除してしまった話
タスク管理はGoogle Tasksとも連携しています。
完了したタスクを処理するとき、Claude Codeが、うっかりdelete-task(完全削除)というコマンドを使ってしまったことがありました。
それに気づいた僕は「それはまずい、何もやってないことになる」と、すぐに指摘しました。
完全に削除してしまうと、「そのタスクをやった」という記録自体が消えてしまう。
これは外部脳の理念そのものに反する事故です。
すぐにcreate-taskで作り直してcomplete-task(完了マーク)で復元してもらい、以後は、
「完了処理はcomplete-taskのみを使う。まとめて消してと言われても、削除か完了か必ず確認する」
というルールに変えました。
このルールは今もメモリファイルに残っていて、毎回チェックが働くようになっています。
指示語だけで対象ファイルを勘違いした話
「これらをもう一度上の①〜⑥へ分配できる?」
そう言ったら、Claude Codeは、直前の会話の流れに引っ張られて、違うファイル(アイデア集の方)を編集してしまったことがあります。
「違う、アイデアの方はさっきのままでいい。変えて欲しかったのはmasterの方だよ」
再度指定し、Claude Codeは、指摘されて初めて、指示語(「これ」「あれ」「上の」)だけで対象を決め打ちしていたことに気づきました。
複数のファイルを同時にいじっているときほど、こういう取り違えが起きやすい。
今は「対象ファイル名を復唱してから着手する」というルールにしています。
参考リンクを残し忘れて「沼」にハマった話
前編を書くとき、実は困ったことがありました。
前編の構想自体は5月にClaude chat(Web版のチャット)で壁打ちしていたのですが、その時に見ていた参考記事・YouTube動画のリンクを、Obsidianに残していなかったんです。
いざ前編を書く段階になって「あのとき見た記事、どれだっけ」と探し直すはめになりました。
チャットの履歴自体はObsidianに取り込んでいなかったので、当時見たものが一部わからなくなっていた。
「調べてみたら沼だった」——これはClaude Codeの口癖になったフレーズです。
教訓はシンプルで、「調べ物をしたときは、何を見て何を参考にしたかをその場でObsidianに書き残す」。
これも失敗したからこそ得られたルールです。
外部脳は、正解だけを覚えていても半人前です。
何にどうつまずいたかまで含めて、初めてちゃんと「自分の脳」に近づく気がします。
音声入力、Typelessを導入した話
もう一つ、6月に地味に生活が変わった出来事があります。
TypelessというAI音声入力ツールを導入しました。
きっかけは単純で、Obsidianに書くにしても、Claude Codeに話しかけるにしても、けっきょく「文字を打つ」作業がボトルネックになるということに気づいたからです。
考えるスピードに、タイピングが追いつかない。
Typelessは、話した内容をそのまま自然な文章に変換してくれる音声入力ツールです。
「えーと」とか「あの」みたいな言い淀みも勝手に整えてくれるので、思ったことをそのまま喋るだけで、そこそこ整った文章になって出てくる。
Obsidianへのメモも、Claude Codeへの指示も、音声でどんどん投げられるようになりました。
あいにく事務所は1人なので気にせず喋ってますww
人が周りにいる時はキーボードです(笑)
気に入って使っているツールなので、紹介がてらリンクを貼っておきます。
自分の声で考えをそのまま流し込めるようになったことで、「思考のスピード」と「記録のスピード」の差がだいぶ縮まった感覚があります。
外部脳を育てるには、まず脳から出てくる言葉を素早く受け止める入り口が要る。
Typelessはその入り口の一つになりました。
6月の1ヶ月をバリバリ使った感想
6月は文字通り、Obsidian×Claude Codeを本格的に回し始めた最初の1ヶ月でした。
何をしていたのか、外から見るとちょっとわかりにくいと思うので、先に簡単に説明します。
やっていたことはシンプルです。
日々の記録の中から「困っていること」「うまくいっていないこと」を見つけて書き出す(洗い出す)。
それを整理して、次からのルールに落とし込む。
この繰り返しでした。
振り返ると、やったことがかなり多いです。
もうねっ!オタクの範囲です。いい意味で(笑)
- 6/1:フォルダ構造を設計、外部脳のセットアップ開始
- 6/2〜6/3:外部脳の理念をCLAUDE.mdに追加、タスク管理の設計を議論
- 6/5〜6/6:タスクテンプレート確定、Googleタスクへの登録開始
- 6/12〜6/14:タスク管理システムの問題点を3エージェント方式(Sonnetで95点→Opusで98点)で洗い出し、改善案を実装
- 6/19:CLAUDE.mdの起動フロー修正(前日ログを全文読むように)
- 6月後半:ブログ執筆(前編)、Typeless登録、参考リンクの整理
特に印象に残っているのは、6/12〜6/14のタスク管理の見直しです。
ファイルが増えるとルールの見落としが増える、という問題に対して、複数のAIエージェントに「企画→採点→改善」を繰り返させる方式を試しました。
最初のSonnetでの3エージェント方式は95点。
Opusに切り替えたら98点まで伸びました。
面白かったのは、Opusの方が「増やす方向の解決策を疑う」「新しい習慣が形骸化しないか自己批判する」という視点を強く持っていたことです。
ルールを追加すればいいってものじゃない、というのがよくわかりました。
その結果、「daily」の次やることを翌朝masterへ一方向で移す運用や、温度タグ(🔥🚀💤💡⏳)の導入が決まりました。
1ヶ月使ってみて一番変わったのは、「考えたことがどこにあるかわからなくなる」という状態がほぼなくなったことです。
以前は、Claude・ChatGPT・Geminiを行ったり来たりして、それぞれのチャットに考えの断片が散らばっていました。
今は、外部脳(Obsidian)を中心に据えて、そこに情報を集約する形になっています。
もちろん完璧ではありません。
普通のチャット(Claude chatやChatGPTなど)で作業してしまって、あとから「あれ、これ記録に残ってない」と気づくことも、7月に入ってからも普通に起きています。
Claude CodeやCodexのようなツールを通さない普通のチャットでのやり取りは、当然ながらObsidianには何も残りません。
そういうときは、後から気づいた本人がそのやり取りの全文を貼り付けて、事後的にでもObsidianに記録する、というのを徹底するようにしています。
外部脳は自動で育つわけじゃなく、「記録し忘れたら気づいて拾いに行く」という手間もセットだと痛感した1ヶ月でした。
グラフビューの比較
Obsidianには「グラフビュー」という機能があります。
ノート同士のリンクを、線でつないだ地図のように表示してくれる機能です。
使い始めた頃と今とで、この見え方がまったく違います。

使い始めたばかりの頃は、ノード(点)がぽつぽつと散らばっているだけで、線もほとんどありませんでした。
daily・tasks・iteplus……それぞれのフォルダが孤立した島のような状態です。

今は違います。
dailyからタスクへ矢印が伸び、タスクから個別プロジェクトへ、プロジェクトからさらに関連ファイルへ……というふうに、線が幾重にも重なって、まとまりのある塊(クラスター)ができています。
特に、6月にsummary.md(月次まとめ)を作った瞬間、急にリンクが増えてハブ(よく参照される中心的なノート)が生まれる、という現象も実際に起きました。
色分けも設定していて、daily(青)・tasks(オレンジ)・過去ログ(緑)・ブログ関連(ピンク)というふうにフォルダごとに色を変えています。
グラフを見るだけで、「今どのあたりの活動が多いか」がなんとなく感覚的にわかるようになってきました。
前編で「思考が網目になっていく感覚がある」と書きましたが、実際に1ヶ月使ってみて、その言葉が比喩じゃなくなってきた気がします。
シナプス(ノート同士のつながり)の話
グラフビューの見た目が変わってきたのには理由があります。
Obsidianのリンクは、脳のシナプス(神経細胞同士のつなぎ目)によく似ています。
よく参照されるノードほど大きく表示される。
つながりが増えるほど、そのノートは「重要な記憶」として目立つようになる。
これはObsidianの標準機能なんですが、使えば使うほど、まさに「脳を育てている」感覚に近づいていきます。
矢印の向きにもルールを決めています。
- dailyの「今日考えたタスク」に
[[タスクファイル]]と書く : daily→タスクへの矢印 - タスクの「依存関係」に
[[別タスク]]と書く : タスク→別タスクへの矢印 - 壁打ちログの日付はあえて
[[]]にしない(テキストのまま) : 双方向にならないようにするため
最初、「グラフの矢印の方向は見えない」と思い込んでいたことがありました。
でも作業中にふと気づいたんです。
リンクを書いた側から書かれた側へ、ちゃんと矢印が出ている、と。
思い込みで「見えないから仕方ない」と諦めていたら、この気づきはなかったと思います。
タグでの色分けも、将来的には育てていきたいと思っています。#思考中はグレー、#壁打ち中は黄色、#完了は緑、というふうに。
矢印の太さや色で「関係の強さ」まで表現できたら、もっと面白くなりそうです。
タスクが増えれば増えるほど、このシナプスは複雑に、そして濃くなっていく。
1本1本のリンクは小さな行為でも、積み重なると「思考のネットワーク」になる——これがObsidianを外部脳と呼ぶ一番の理由だと、1ヶ月使ってみて実感しました。
自己責任でw
ここまで、外部脳を実際に1ヶ月使ってみた話を書いてきました。
正直、ミスも詰まりも山ほどありました。
Dropboxの復元バグ、Google Tasksの誤削除、指示の取り違え、参考リンクの沼——数え上げたらキリがありません。
でも、そのすべてが「思考のプロセス」としてObsidianに残っています。
そして、その記録があるからこそ、次に同じ罠にはまらずに済んでいます。
この記事に書いた内容も、あくまで僕自身が試行錯誤した記録です。
完璧な運用方法ではないし、今もまだ実験中です。
「やってみたい」と思ったら、ぜひバックアップを取ってから、自己責任で試してみてください。
何かあっても責任は持てませんが、一緒に実験しましょうww
外部脳は、育てるものだ。
完成させるものじゃなく、失敗しながら、少しずつ育てていくもの。
これからも僕の外部脳は、ミスも成功も抱えたまま、育ち続けていくと思います。
この記事はシリーズ後編です。
前編はこちら
「思考のプロセスを残す。Obsidian × Claude Codeで外部脳を作る方法【前編】」


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