

前編、後編を書いてから、ありがたいことに少しずつ読んでいただく方が増えています。
この2本は、僕が Obsidian と Claude Code を組み合わせて「外部脳」を育ててきた実体験のシリーズでした。
今回は、その続き……ではあるんですが、ちょっと毛色が違う話です。
実際に運用している中で、「あれ、これって本当にちゃんと理解されてるのかな」と気になっていたことがあります。
Claude Code へ作業を頼み、Claude Code と僕とで決めたルールに沿って、毎日 Obsidian のdailyフォルダのファイルに Wikilinks を書いてもらっているのですが、このリンクの「意味」まで本当に伝わっているんだろうか、とふと手を止める瞬間がありました。
もしかしたら読者の中にも、同じような疑問を持ったことがある方がいるかもしれません。
Claude Code は、実は Obsidian を「ただのテキストファイル」としてしか見ていない
前回の記事でも書いた通り、このリンク(Wikilinks)が積み重なって、グラフビュー上にノート同士のつながりが見えてくる。
それが「脳のシナプス」みたいに育っていく感覚がある、という話をしました。
ただ、これは正直に言うとObsidian というアプリの中で見えている景色の話です。
Claude Code の方は、標準の状態だと Obsidian の Vault を開いても、それを「Markdown ファイルがたくさん入ったフォルダ」としてしか扱いません。[[タスクファイル]]という書き方も、Claude Code からすればただの文字列です。
それが「別のノートへのリンクである」という意味までは、理解していないということになります。
frontmatter(ノート冒頭の---で囲まれたプロパティ)も、Canvas(図解を描けるファイル形式)も、Bases(Obsidian のデータベース機能)も同じで、Obsidian 独自の構造を Claude Code が「知らないまま」触っている状態が、実は標準の姿だったわけです。
Obsidian 公式が「Claude Code 用の Skills」を公開していた
そんな中で目に留まったのが、Obsidian を開発している会社の CEO である Steph Ango 氏(GitHub 上のハンドル名は kepano 氏)が公開している、Claude Code 向けの公式 Skills のリポジトリです。
Skills というのは、Claude Code に特定の知識やお作法を追加で覚えさせる仕組みのことです。
このobsidian-skillsを追加すると、Claude Code が Wikilinks・プロパティ(frontmatter)・埋め込み・Canvas・Bases といった機能を理解できるようになるといいます。
Obsidian ならではの構造を踏まえた上で、Vault を読み書きできるようになる、という触れ込みです。
導入方法も紹介されていて、Claude Code 上で次の2つのコマンドを打つだけのようです。
/plugin marketplace add kepano/obsidian-skills
/plugin install obsidian@obsidian-skills
Obsidian 本体を作っている会社が、自ら「Claude Code との連携」を公式にサポートし始めている、というのが素直に驚きでした。
個人の有志が作ったプラグインではなく、開発元本人が出しているところに信頼感があります。
何ができるようになるのか(解説記事より)
この仕組みについて詳しく解説している記事も見かけたので、あわせて紹介します。
この記事によると、obsidian-skillsを入れることで、Claude Code は Wikilinks を実際のノートへの参照として解決できるようになるそうです。
frontmatter に書かれたプロパティ(タグや日付など)も、構造化データとして読み取れるようになるといいます。
Canvas ファイルの中身や Bases のデータベース構造まで理解できるようになる、という説明もありました。
つまり、「ファイルの中身を読む」だけでなく、「ファイル同士がどうつながっているか」「このノートはどんな属性を持っているか」まで Claude Code が把握した上で動いてくれる、というわけです。
僕の Vault の場合で言うと、dailyからtasksへのリンク、tasksから個別プロジェクトへのリンクといった構造があります。
こうしたつながりを、Claude Code 自身が「意味のあるつながり」として認識できるようになるのではないかと感じています。
ただ今は、そこまで理解した上でのことなのか、それとも表面上のテキストマッチだけで動いているのか、正直はっきりしない部分もあります。
もっと踏み込んだ活用をしている記事にも出会った
「Vault が生きているみたいに感じられるようになる」——そんな印象的なタイトルの記事にも行き着きました。
ただしこちらは、ここまで紹介してきた kepano 氏のobsidian-skillsとは別の話です。
2026年3月25日に公開されたこの記事では、筆者の Mart Kempenaar 氏が自作した3つのカスタムスラッシュコマンドを使って、Obsidian の Vault を日々の「思考パートナー」として動かしている事例が紹介されていました。
/context:Vault の現在の状態(アクティブなプロジェクト・優先事項)を読み込むベーススキル/today:週間計画や前日のノート、Google Calendar と連携して日々の計画を立てるスキル/spark:最近のノート群から浮かび上がるテーマを検出し、思考を統合するスキル
今回紹介したobsidian-skillsが「Wikilinks や frontmatter といった Obsidian の構造そのものを Claude Code に理解させる」アプローチだったのに対し、こちらは自分でスラッシュコマンドを組み立てて、Vault を計画立てや思考整理のパートナーとして活用するアプローチです。
正直に言うと、僕の考え方は、どちらかというと kepano 氏よりも Mart Kempenaar 氏のアプローチに近いと感じています。
Vault の構造そのものを Claude Code に理解させることよりも、Vault を使って何をするか——日々の作業を記録し、考えを整理し、思考のパートナーにしていくか——という使い方の設計の方に、興味が向いているからです。
手段(Skills で構造を理解させるか、自分でルールやコマンドを組み立てるか)は違っても、Vault をただの保管庫で終わらせず、Claude Code と組み合わせて育てていくという根っこの発想は同じだと思っています。
このシリーズで僕が書いてきたこととも、まさに重なる部分です。
ここは僕自身の体験ではなく、あくまでこの記事を書いた方の事例として紹介しておきます。
次にやってみようと思っていること
ここまで紹介した通り、obsidian-skillsはまだ僕自身の Vault には導入していません。
正直に言うと、今のところ僕の運用は「Claude Code に毎回 CLAUDE.md でルールを読み込ませる」というやり方で、それなりにうまく回っています。
ただ、Wikilinks や frontmatter をもっと積極的に使うようになったら、この公式 Skills が本当に効いてくる場面が出てくるのではないかと思っています。
特に気になっているのは、グラフビューで育ってきた「シナプス」のような構造を、Claude Code 側にもちゃんと理解してもらえたら、タスクとプロジェクトの紐付けや、過去の思考プロセスの参照がもっとスムーズになるんじゃないか、という期待です。
次は実際に自分の Vault へ入れてみて、何が変わったか(あるいは変わらなかったか)を、また記事にできればと思っています。
外部脳は、育てるものだ。
今回もそのことを、改めて感じています。
自己責任でw
このシリーズはいつも書いている通り、あくまで僕自身が試行錯誤している記録です。
今回紹介した Skills も、導入すると Vault の構造や Claude Code の挙動に影響が出る可能性があります。
試してみる場合は、必ずバックアップを取った上で、自己責任でお願いします。
続きはまた、実際に試したタイミングで書きます。
気になった方は、僕より先に試して結果を教えてくれても嬉しいですww 一緒に実験していきましょう。
この記事は Obsidian × Claude Code「外部脳」シリーズの続編です。
前編:思考のプロセスを残す。Obsidian × Claude Codeで外部脳を育てる話・前編
後編:AIが記憶喪失にならなくなった話。Obsidian × Claude Codeで外部脳を育てる話・後編



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